法月綸太郎『法月綸太郎の冒険』

法月綸太郎の冒険 (講談社文庫)

法月綸太郎の冒険 (講談社文庫)

なにげに初読。とはいえ、アンソロに入っていたような作品はいくつか目にしていたが。ロジックで攻めてくるような作品はやっぱり好きだなぁ、と。

「図書館の司書さんが綸太郎に捜査協力を仰ぐ」という設定に対して、図書館は個人情報を公開しないんだから誤解されると困るという苦情がきたという話があとがきで紹介されていた。図書館に関連しない人間としては、強烈な違和感を覚えた。警察だって個人情報を公開しないのは当然である。それでも「警察が民間人に情報をだだ漏れにしている」という設定に対する苦情がきたという話は聞いたことがないからだ。ご都合主義の設定に目くじらたてられてもなぁ……、おもしろい作品が書けるような設定だったらPRにもなるんだからもっと書いてもらえればよいのにと思ったわけ。センサーが敏感すぎて、傍観者としてはちょっとひいてしまった。上司(?)のセンサーが鈍いと良いな、と思う今日この頃。