恩田陸『黄昏の百合の骨』
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/04/13
- メディア: 文庫
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恩田陸は肌に合わないのだろうか? 登場人物の欠点を先に見せてくるからかもしれない。解体された謎を見てもそう。好みと違うだけってことは分かっているのだが。
ミステリには「Aという情報が提示されていて、実はAという情報の中にはBという解が含まれていましたよ」という構造がある。と思う。ただ個人的な嗜好としては「Aという情報をしっかり分析したら実はBでしかありえないんですよ。この2つにはなんの関係もなさそうなのにね」という落とし方を期待してしまう。ほぼ間違いなく伝わらないたとえだが、運動方程式を変形してみたらエネルギー保存則がでてきた、というときのような心の動きがほしいわけだ。ミステリ的に楽しめるのは、うまく隠された論理とか構造のもたらすゆらぎがうまく機能している作品。そんな気がした。
もっともそれは作品をミステリ部分でしか評価しないって場合だけなんだけど。