山口雅也『生ける屍の死』
- 作者: 山口雅也
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1996/02/25
- メディア: 文庫
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ただレポートに追われる生活をしていると、どんなことが起こっていたのかと言うことが片っ端から頭から抜け落ちていってしまう。これから先、長編に手を出すのは極力やめておいた方がよいのかもしれない。とりあえずあと2週間ぐらいは本に手を出せないのだろうけれど。
とはいえ、特殊な設定の世界観を活かした真相は良かった。もっときつい縛りなのかと思っていたらそうではなく、その若干の緩さをうまくつかっていた。これを1週間以内に読み終えていれば評価はもっと高かったのだろう、そんな気がする。
恩田陸『黄昏の百合の骨』
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/04/13
- メディア: 文庫
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恩田陸は肌に合わないのだろうか? 登場人物の欠点を先に見せてくるからかもしれない。解体された謎を見てもそう。好みと違うだけってことは分かっているのだが。
ミステリには「Aという情報が提示されていて、実はAという情報の中にはBという解が含まれていましたよ」という構造がある。と思う。ただ個人的な嗜好としては「Aという情報をしっかり分析したら実はBでしかありえないんですよ。この2つにはなんの関係もなさそうなのにね」という落とし方を期待してしまう。ほぼ間違いなく伝わらないたとえだが、運動方程式を変形してみたらエネルギー保存則がでてきた、というときのような心の動きがほしいわけだ。ミステリ的に楽しめるのは、うまく隠された論理とか構造のもたらすゆらぎがうまく機能している作品。そんな気がした。
もっともそれは作品をミステリ部分でしか評価しないって場合だけなんだけど。
P.A.M.ディラック『一般相対性理論』
- 作者: P.A.M.ディラック,Paul Adrien Maurice Dirac,江沢洋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 文庫
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そうそう、評価の項目を推理→logicとした。教科書の類であれば常に満点となることだろう。
格好良い名前を教科書ではよく見る。正直、それだけで人生得してるんじゃないかと思う。Christoffel記号だとすごそうだけど、もし同じ記号が例えば田中記号という名前だったらどうだろう? たぶん外人から見れば漢字の方が格好良いのだろうけど。
ガモフ『不思議の国のトムキンス』
ガモフ全集 1 (1)不思議の国のトムキンス (1950年)
- 作者: G.ガモフ,伏見康治,山崎純平
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 1950
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物理定数が書き換わった世界でのお話。光速が時速20km/sだったら、とかプランク定数が1ぐらいだったら、とか。設定がおもしろいので、物理を知らない人でもおすすめ。教授の解説はなかなか分かりやすい、と思うのは物理をやっているからだろうか。
綾辻行人『眼球綺譚』
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 1998/01
- メディア: 新書
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そうくるか、っていう驚きはホラーの方が自由度が高い分大きい気がした。
エドガー・アラン・ポオ『ポオ小説全集?』
- 作者: エドガー・アラン・ポオ,阿部知二
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1974/06/28
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オーギュスト・デュパンものは載っていない。
週1冊をきるようなペースだと、きっと短編集とかアンソロジーの方が長編よりも良いのだろう。深刻で壮大な謎を扱う作品よりもささやかな謎を扱う作品の方が楽しめるのだろう。今までとは違う読書に突入することとなりそうだ。